IDP取扱説明書制作講座 ヘッダー 本文へジャンプ
3.取扱説明書の制作手順


3-2.危険の洗い出し/3

3: リスク分類

次にリスク分類を行います。前述のリスクについて「もし事故が起こったら、どのような被害がでるか」、たとえば人が死亡するのか、火災が起こるのか、物が壊れるのか、などを1つずつ考え、リスク(=損害)の大きさに応じ、「危険」「警告」「注意」の3つに分類します。(右図参照)

高い確率で人が死亡するなどのリスクは「危険」
場合により人が死亡したり、身体機能に障害を残したり、家屋が損失するなどのリスクには「警告」
物が壊れたり、医者にゆくまでもないほどのケガなどの場合には「注意」となります。(詳細はJTDNA取扱説明書ガイドライン教育編参照)

よくこの分類を間違えている取扱説明書を目にしますが、この分類ができているからこそ、取扱説明書が「購入者のリスク回避策」の指南書になることができます。絶対に間違えないよう、よく考えた上で分類してください。

分類ができたら、一項目ずつ文章にします。できるだけ短く、使用者にわかりやすい平易な言葉を使うことがポイントです。

たとえば、「炊飯器」のリスクのうち「本体から熱い蒸気が出る」リスク(=ヤケド:警告)についての文章は
「炊飯中はフタ上部穴より熱い蒸気がでます。ヤケドの可能性がありますので、フタに触る際は蒸気に十分ご注意ください。またお子さまが間違って触らないよう、お子さまの手の届かないところでご使用ください。」のような感じです。

全ての文章を作成したら、その文章を他の複数名の人に読んでもらいます。立場が変われば常識が違うこともありますし、自分が気が付かなかったリスクもみつけることができます。必ず複数名で確認しましょう。

最後に、先に作った「常識」と思われた部分について「本当に削除してよいか」を再度確認します。
【リスクの書き出し】
【リスク分類】
危険
明らかに命に関わる
重大な事故が予測
されるリスク
警告 場合により命や身体機能
に関わる重大な事故や、
家屋などに多大な損害の
発生が予測されるリスク
注意 比較的軽微なケガや
物の破損等が予測
されるリスク
【文章化】